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魚介一筋。mumdonさんの美しく迫力がある投稿の工夫

魚介一筋。mumdonさんの美しく迫力がある投稿の工夫

mumdon(ママ丼), 片貝 久美子

Instagramでフォロワー6.3万人を誇るmumdonさん(2024年2月現在)。「家でちょっぴり贅沢なものを」と始めた、“お茶碗で作る海鮮丼“がコンセプトの“ママ丼”の投稿が人気です。魚介に徹した圧巻の統一感と、美しい写真と盛りつけが大好評。さぞや緻密なノウハウやテクニックを駆使しているのでは……と想像するも、意外にもご本人はマイペース。mumdonさんなりのフォロワーを伸ばす工夫を伺いました。

目次

  • 「ママ丼」誕生のきっかけ
  • 趣味は「鮮魚店パトロール」
  • 美しく迫力のある写真のコツ
  • フォロワー数増のチャンスを見逃さない
  • mumdonさんが思い描く目標

「ママ丼」誕生のきっかけ

Instagramで、あふれんばかりの新鮮な魚介をのせた丼の投稿が大人気のmumdon(ママ丼)さん。魚介好きは幼いころからの筋金入りで、「親から聞いた話だと、小さなころからえびの踊り食いをしていたらしいです(笑)」とのこと。

フォロワー6.3万人超えのmumdonさんのアカウント
魚介の丼メニューが並ぶさまは壮観!

ただ、Instagramを始めた2019年当時は、丼に限らずいろいろな写真を投稿していたといいます。

「Instagramを始めたきっかけは、食とか旅とか、自分が好きなものを記録しておこうと思ったから。なので、じつは、遡ってみると丼以外の投稿も結構してるんです。
そのなかでも、食の写真はもともと〈おひとりさま〉で食事を楽しむのが好きだったこともあり、居酒屋とかお寿司とか、1人で飲みに行ったお店でおいしかったものを写真に撮って、投稿していました」

丼メニューの投稿に絞るにあたり、〈ママ丼〉と自ら名付けた丼は〈お茶碗で作る海鮮丼〉がコンセプト。誕生のきっかけは、2020年の新型コロナウイルスの流行でした。

ママ丼
ほれぼれとする、美しく迫力のある〈ママ丼〉。多くのフォロワーがとりこになっています

「あの時期はみなさんそうだったと思うんですけど、感染リスクもあるし、飲食店もやってないしで、外食ができなくなっちゃって。その代わりに、ちょっと贅沢なものを家で食べようっていうので、〈ママ丼〉というネーミングで作り始めたんです。それをInstagramに投稿したら、共感してくださるかたが多く、フォロワーさんが増えていきました」

〈お茶碗〉と〈海鮮丼〉というキーワードにも理由があるといいます。

「わが家は私と夫、子ども2人の4人家族なのですが、夫と子どもたちはあまり魚を食べないんです。特に生魚となると、子どもたちはまだ幼いので避けたいですし、夫も生魚は好きではなくて。食卓に出すのは、焼き魚か煮魚のみ。家族で海鮮を食べるのは私だけなので、〈ママが食べる海鮮丼〉ということで、略して〈ママ丼〉と呼んでいるんです(笑)。

丼と言いつつ、なぜお茶碗にしているかというと、食べすぎを防止するため。海鮮丼って、白米と海鮮とおしょうゆの組み合わせで、いくらでも食べられるじゃないですか(笑)。大好きなんですけど、太りやすい料理でもあるので、お茶碗にすることでいくらか糖質を制限するつもりで。ダイエットする気分で『必ずお茶碗に盛る!』と決めています」

特に細かいレシピや分量などは投稿していませんが、〈ママ丼〉の美しさと迫力に多くのフォロワーが魅了されています。コメントでは、絶賛する声が多く、海外からの投稿も。あまりのそそる写真に、鮮魚の購入先の問い合わせも多いそうです。

趣味は「鮮魚店パトロール」

現在は出身地である大阪にお住まいのmumdonさんですが、仕事の関係で東京に暮らしていた時期も長かったといいます。

「東京にいるときこそ、今以上に〈おひとりさま〉を楽しんでいて。特に、お寿司屋さんに関しては、リーズナブルなチェーン店から、ときには奮発してカウンターに座って食べるお店まで、本当にいろいろ行きました。東京って結構立ち食い寿司が多いんですよね。安いし、手軽だし、ということで、立ち食い寿司ばかり行ってた記憶があります。

そのほかに、おいしい魚介を求めて鮮魚店パトロールもしてました。よく行っていたのは、御徒町にある『吉池』。全国各地から届く新鮮な魚介がそろっていたので、おいしい魚が手に入るのはもちろん、見てるだけでも楽しかったです」

大阪に戻ってからも、その習慣は変わらないとのこと。〈ママ丼〉に使われている鮮魚の多くは、大阪駅にある阪神梅田本店と、阪急 うめだ本店の地下街にある鮮魚店、または天満市場で購入しているそう。

鮮魚店パトロール
鮮魚店パトロールの様子はInstagramのリールで紹介することも

「阪神梅田本店と阪急 うめだ本店の地下には、お魚屋さんのほか、八百屋さん、お肉屋さんといった生鮮食品が充実してるんです。
一方、天満市場はプロのかたも買いに来るようなところで。各鮮魚店をパトロールして、その日の目玉商品や季節のもの、あるいは単純に自分が惹かれたものを購入します。ペースとしては週2回ほどですね。この3か所を回れば、食料品から日用品まで必要なものはすべてそろうので、鮮魚以外のものも含めてまとめ買いしています」

美しく迫力のある写真のコツ

「自然光」と「盛りすぎない」

鮮度抜群の魚介がそろう鮮魚店のなかから、選りすぐりの逸品を選ぶmumdonさんの目利きもさることながら、写真に収められた〈ママ丼〉の美しいこと!

大とろとカンパチを盛りつけ
〈鮮魚店パトロール〉で一目ぼれした、大とろとカンパチを盛りつけ。今にもとろけそうなそそる写真に、〈いいね!〉数は2024年2月時点で4.6万件を超える
帆立て、うに、いか、いくらのママ丼
帆立て、うに、いか、いくらの〈ママ丼〉。レシピはなくとも、写真のインパクトで偏愛ぶりを表現。プチプチとはじけるようないくら、帆立ての表面をサッとあぶり、香ばしく添えて。五感にうったえる写真に目を奪われます

撮影に詳しい知識をお持ちなのかと思いきや、「写真の撮り方を習ったことはありません」とのこと。それどころか「撮影に使っているiPhoneも、何世代も前のものなんですよ」というから驚きです。でも、だからこそ、どのように撮影しているのかが気になります。

「撮影するときは、いつも自然光で撮るようにしています。フラッシュを使うと、白く飛んだり、影が濃く出たりして、おいしそうに見えないので。逆に自然光だと、お魚のツヤとかも自然な感じで撮れる気がするんですよね。よく撮影する時間帯は、午前11時とか、夕方の4時ぐらい。部屋の中が明るすぎず、暗すぎずのタイミングを狙って撮影しています」

被写体にも工夫を

さらに、被写体である〈ママ丼〉自体にも工夫を凝らしているのだとか。

「〈ママ丼〉は撮影をしたあと、実際に私が食べるものなので、〈食べるため〉に盛ることをルールにしています。海鮮がたっぷりのっているように見えるのは、ベースがお茶碗であることと、寄り気味で撮っているからだと思います。
写真映えやインパクトを狙って、こぼれるほど盛る手法もありますけど、食べにくいじゃないですか(笑)。もちろん、きれいに見えるように盛りつけますが、それよりも食べやすさという実用性を重視しています」

わざとらしくない範囲での最大限の盛りつけと、リアルなボリューム感が、フォロワーから好感を集めている秘密かもしれません。迫力がありつつ、華やかで上品な雰囲気はmumdonさんならではです。

フォロワー数増のチャンスを見逃さない

1投稿でフォロワー数が1万人増

クリエイター

大阪府出身。Instagramのフォロワー6.3万人(2024年2月現在)。家でちょっぴり贅沢な〈お茶碗で作る海鮮丼〉がコンセプトの〈ママ丼〉を投稿したところ、美しい写真と盛りつけが話題に。10万〈いいね!〉や、リール110万回再生など人気投稿多数。趣味は〈ママ丼〉のネタの仕入れを兼ねた、鮮魚店パトロール。

フリーライター。週刊情報誌を制作する編集プロダクション勤務を経て、フリーランスに転向。インタビューを中心に活動しており、俳優やミュージシャンのほか、料理家や栄養士へのインタビューなど食関連の取材も多く手がける。

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