YouTubeとInstagramで、日々の飾らない晩酌の動画を投稿をし、多くの登録者数とフォロワーを獲得している、あい。さん。楽しそうに料理をし、幸せそうにお酒を飲み、おいしそうに黙々と食べる様子に、元気をもらう視聴者が多数。「平凡だけど晩酌には全力」という、気取らずチャーミングな姿が印象的です。
ご自身も楽しく撮影され、観ている人も楽しくなる、あい。さんの「気取らない動画」。その魅力に迫ります。
目次
- 無理をせず、できることから始めてみる
- カテゴライズされない普通の晩酌シーン
- 手の届きそうな日常を動画に
無理をせず、できることから始めてみる
スマホだけで「晩酌」動画の配信をスタート
プシュッと缶を開け、トトトトとグラスにビールを注いだら、間髪入れずにごくごくごくごく飲む。ハーッとうれしそうに、大きく息を吐く。あい。さんの動画は、そんなシーンから始まることが多々あります。
そして、ビールを飲みながら料理がスタート。おつまみだけでなく、揚げものやパスタなどを次々に調理していき、仕上がったら黙々と食べて、またお酒を飲む。
文字にすると、単なる料理動画に感じるかもしれません。しかし、あい。さんがおいしそうに口一杯に料理をほおばる表情や、ごくごくとうれしそうにお酒を飲む様子を見ているだけで、こちらまで幸せな気持ちになってきます。なぜ、このような動画を配信するようになったのでしょうか。
「自分の人生が、家と職場の往復で終わりそうだと思ったんです(笑)。このままは嫌だな、と。以前は、絵を描くのが好きで、漫画家になりたいと思ったこともありました。日常を描く漫画が好きで、自分でも描いてみたかったけれど、今はもう描かなくなってしまって。でも、YouTubeだったら好きな世界を作れるんじゃないかと思って、始めてみたんです」
特別な資格も必要なく、会社を起こすわけでもない。「失敗してもいいや」というくらいの気軽さで始めてみたのだそう。最初は、スマホだけで動画を撮って編集する、ということから始めました。
「実際に自分で撮った動画を見て、まず、画質の悪さにびっくりしました(笑)。YouTuberのかたがたはきちんといいカメラで撮っているので、その差に愕然として。でも、まずやることが大事だと思って、ひとまずスマホだけで続けてみたんです」
自身の日常で、お酒を飲んで料理を食べるという「晩酌」に特化した動画を配信し続けます。
「最初のころの動画は見るに耐えなくて、削除してしまっているものもあります(笑)。でも、続けていくうちに、ありがたいことに少しずつ登録者数が増えていって、『セブンイレブンで買って食べて呑む』という動画や、『鳥貴族で呑んで食べる』という動画で、たくさんのかたに見ていただくきっかけになりました。特に有名になりたいとか、そういう目的ではなくて、自分の晩酌代を稼げて楽しく動画が作れればいいなと思ってました。お金のかからない趣味になったらいいな、ぐらいの感覚でしたね」
ひとまず、できる範囲で始めてみる。始めたら、とにかく続けてみる。この姿勢を続け、「細々とやっていたら今みたいな感じになりました」と、あい。さんは振り返ります。
始めてから半年ほどでカメラとソフトを導入
じつはあい。さん、形から入りたいタイプだそうで、半年ほどで新たにカメラを購入し、編集用のソフトも導入。これを機に、「撮影から編集までスマホだけ」という状況だったのが、ガラリと変わります。
「スマホだけなら通勤時間に編集もできたんですが、カメラとソフトを入れてからは、自宅のパソコンでの作業に変わりました。画面が大きくなってやりやすくはなったのですが、プロ用のソフトは専門用語が多くて使いこなすのにひと苦労。ガジェット系のYouTubeを見て勉強しながら手探りでした」
それまでのスマホでの編集は、プロではなくても使いやすい仕様。直感的にやりたいことができて、ストレスなく使えていました。それが専門的なソフトを使うことで、編集にかける時間も手間も一気に増えてしまったのです。
「しかもソフトは、定期的にバージョンアップされて使い勝手が変わるんです。その度にわけがわからなくなって、叫びながら編集してました(笑)」
それでもめげずに続けていくうちに、作業もスムーズにできるように。カメラ1台でさまざまな角度から撮影し、それを切り貼りしながら、テロップで文字を入れつつ編集していきます。
クリエイター
YouTubeチャンネル登録者数約10.5万人、Instagramフォロワー約8.5万人(2024年3月現在)。晩酌好き。「平凡な晩酌好きの日常vlog 晩酌好きと犬の大雑把なおうち居酒屋。」と題して、日々の晩酌の様子を配信。「平凡だけど晩酌には全力」という、気取らないチャーミングな姿にファンが多い。
フリーライター。出版社オレンジページに入社し、生活情報誌『オレンジページ』『オレンジページ インテリア』の編集を担当したのち、フリーランスに。暮らしやインテリア、カルチャーを中心に、雑誌や書籍、WEBで執筆・編集を行う。