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無名でもKindleで電子書籍が出せる! 実績作りの選択肢のひとつ

無名でもKindleで電子書籍が出せる! 実績作りの選択肢のひとつ

野口 寛, 佐々木 紀子

いずれ自分の本を出版したい!そんなかたはぜひご一読ください。Amazonの提供する電子書籍関連サービス「Kindle(キンドル)」で、『Twitterのフォロワーを1000人増やす方法』『ひとりビジネスの教科書』など、数多くのヒット作品を出版し、異例の経歴を持つKindle作家・野口寛さん。ご自身の経験をもとに、Kindleでの本の出し方、SNSやブログの成長のさせ方、リアルな話や裏事情をじっくりと語っていただきました。

目次

  • 会社経営者からKindle作家になった理由
  • 実績がなくてもやる気があればKindleなら本が出せる
  • SNSやブログでの情報発信は欠かせないもの

会社経営者からKindle作家になった理由

コロナ禍が大きなきっかけに

僕が初めて「Kindle」で電子書籍を出版したのは2021年の3月のこと。現在では、Kindle出版歴は2年になり、合計36冊出版しています。ちなみに、紙の書籍を出版したことはなく、出版という分野でいうと、電子書籍だけで活動しています。

でも、その前から執筆の仕事をしていたかというと、そうではありません。大学卒業後は、海外で仕事をすると決めて起業。海外で人材派遣や留学サポートをする会社を6年間経営してきました。

しかし、新型コロナウイルスの影響で、国内と海外の人の行き来ができなくなり廃業。その後、1年間ほどニートのような生活を送っていました。でも、このままじゃダメだと思い、インターネットで完結する仕事を模索していたところ、出会ったのがKindle。1冊出してみないとわからない、とりあえずやってみよう、と軽い気持ちで始めたのがきっかけです。

もとの仕事とは違う分野の情報を発信する理由とは?

インターネットで完結する仕事を模索した理由は、一人でできる仕事をしたかったからです。6年間会社を経営してきましたが、人間関係で大変な思いをすることが実際多かったんですよね。

一人でできる仕事をイメージして探していたところ、それはSNSやブログなんじゃないかという思いに行きつきました。そこで、じゃあSNSやブログのノウハウをまとめてKindleの電子書籍で発売すれば、ニーズがあるんじゃないかと考えたんです。

もともと人材派遣の会社でInstagramやYouTubeを活用していたので、ある程度SNSの知識はありましたが、本を書くまでの知識は正直ありませんでした。海外での仕事を辞めてから、自分でいろいろなSNSを使ってみたり、調べたりしてノウハウを習得してきた感じです。

そもそも僕が初めてKindleで電子書籍を発売したころは、Kindleの情報自体がまったくなくて。この2年ですごく変化したと思います。自分でもいろいろ調べましたが、当時、Twitterで交流があった人がKindleで電子書籍を出版していたので、会って教えてもらったりもしました。その後は教える側に回ろうと思って、現在は、Kindleで電子書籍を出版するサポートをしたり、教材を作って販売したりする事業を展開しています。

実績がなくてもやる気があればKindleなら本が出せる

例えば、料理が好きで、いつか自分の料理本を出したいと思っていても、実績がないといきなり出版社から本を出すのは難しいですよね? もし自分で紙の本を出版しようとしたら、自費出版になると思うんですけど、それだとお金もかかりそう……。

ちなみにKindleは、全部自分で作れるなら制作費はゼロですし、出版費用もゼロ、固定費もゼロです。だから、個人的にはKindleをやってみてダメージはゼロだと思っています。

もし、表紙のデザインは大事だから、そこだけはプロのデザイナーに依頼したいと思ったら、その部分だけクラウドソーシングで外注するのもありですよね。撮影をプロに頼みたかったら、カメラマンを探して依頼するとかもできますし。

じつは、僕は機械音痴なんですけど、そんな僕でもKindleの電子書籍は作れたので、普通にパソコンが使えるかたであれば、誰でも作ることができると思います。僕は文字ベースの本を作っているんですが、使っているのは「Pages(ページズ ※1)」というアプリケーション。「Google ドキュメント(※2)」でも作れます。

(※1 Pages……Appleが開発している、macOS/iOS用のワードプロセッサおよびびページレイアウトアプリケーション)

(※2 Googleドキュメント……Googleが無料提供する、ウェブブラウザ内で動くワープロソフト)

料理の場合は要素として写真が必要になると思んですが、その場合は「Canva(キャンバ ※3)」を使えば、文章と写真の編集もできます。Kindleにはフォーマットの規定があるんですけど、「Canva」内にはその規定のサイズのテンプレートがないから、自分で設定しないといけない面倒さはありますが。でも、使い方はGoogleで検索すれば見つけられるので、普通に「Word(ワード)」が使えるかたであれば問題ないと思いますよ。

(※3 Canva……無料で使えるオンラインのグラフィックデザインツール)

制作した電子書籍を申請後、48時間以内に出版される

データを作成したら、そのデータや必要な情報をamazonに送って申請します。AIがデータをチェックして、ほかの人の出版物などをコピーしていないかを確認。その審査をクリアしたら、基本的に申請後48時間以内に出版されます。

Kindleの電子書籍の収益率は一律で70%。例えば1000円の電子書籍を出版して1冊売れたら、700円の収益になります。また、Kindleには月額980円で200万冊以上の電子書籍が読み放題になる「Kindle Unlimited(キンドル アンリミテッド)」というサブスクリプションサービスがあるんですが、それで読まれると、1ページにつき0.5円の収益に。仮に100ページ読まれたら50円の収益になるということですね。

(※上記は2023年5月現在の情報です)

まずはポートフォリオ代わりに活用するのもあり

自分で作る手間暇はかかりますが、まだ実績がない場合には、電子書籍がポートフォリオ代わりに使えるので、個人的にはKindleでまず自分の作品を作ってみるのはおすすめです。取材などで会う人に名刺代わりに電子書籍を送ったり、もし料理教室を開くとしたら、生徒さんに無料で電子書籍を配布することもできますし。作っていてデメリットはないかなと思います。

ちなみに、アメリカでは自分の電子書籍を無料で配ることができるんですが、日本の場合はそれがまだできないので、無料キャンペーンのサービスを利用するのが便利。無料キャンペーンは自分で設定できて、期間を限定して0円で販売するというもの。送りたい、配りたい相手にその情報を伝えて、その時間制限内に0円で購入してもらいます。

SNSやブログでの情報発信は欠かせないもの

ライバル調査は徹底的にするべき

クリエイター

1992年生まれ、Kindle作家。大学卒業後に日本で起業し海外に行き、人材派遣、留学斡旋の事業で6年間業績を伸ばすも、新型コロナウイルスで事業が崩壊。2021年からKindleで電子書籍を多数出版し、デジタルマーケティング事業や、Kindle出版に特化したオンラインサロンを運営中。

編集・ライター。インテリア誌や生活情報誌の編集職を経て、40歳を過ぎてからフリーランスに。家事、収納、マネー、リノベーション、インテリア、料理など携わるジャンルは多岐に渡る。投げられた球はどんな変化球でもとりあえず打ち返すタイプ。

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