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m.higashiさんの動画レッスン提供のコツと講師業への向き合い方

m.higashiさんの動画レッスン提供のコツと講師業への向き合い方

m.higashi, 高丸 昌子

自宅で小さな焼き菓子教室を主宰しながら、おうち習い事アプリ「ミルーム」でお菓子・パン作りのレッスン動画を提供しているm.higashiさん。結婚・出産を機に、一度は製菓・製パン業から離れたものの、大好きなお菓子作りと関わる方法を模索。子育てとのバランスを図りながら、〈自分ひとりで、できる範囲で、できること〉としてたどり着いたのが現在の講師業でした。

目次

  • 製菓学校で学び、製菓衛生師に。東京で経験を積む
  • Instagramでの発信がレッスン動画講師の道へつながる
  • 子育てとのバランスを考え、自宅教室を開講
  • 日々の生活に寄り添うお菓子やパンを研究したい

製菓学校で学び、製菓衛生師に。東京で経験を積む

焼き菓子教室の個別レッスンと、おうち習い事アプリ「ミルーム」の動画レッスンを主軸に、群馬県の自宅キッチンで講師業を行っているm.higashiさん。2024年7月現在、フォロワー約2.7万人のInstagramには、素朴であたたかな雰囲気の焼き菓子やパンの写真が並び、片道1時間以上かけてレッスンを受けに来るフォロワーさんもいるといいます。

「miroom」で講師を務めるm.higashiさん。動画レッスンの撮影も自宅キッチンで行っています
「ミルーム」で講師を務めるm.higashiさん。動画レッスンの撮影は自宅キッチンで行っています

「私は3姉妹の末っ子。小さいころから食いしん坊で、小麦粉で作られたものが大好きでした。お菓子作りが好きな姉たちがよくお菓子を作っていたのですが、まだ小さかった私はやらせてもらえなくて、うらやましく見ていた思い出があります(笑)。小学校6年生のとき、初めて友達とクッキーを作って『自分にもできるんだ!』と感動を覚えたのが、焼き菓子に興味をもったきっかけです」

フェイスクッキー ビスケット
Instagramより。得意のフェイスクッキー。かわいい笑顔にほっこりします

最短ルートで製菓衛生師の国家資格を取得

大好きなお菓子作りの道に進むことを目指して、高校卒業後は地元の製菓専門学校へ進学。当時は1年制と2年制がありましたが、親への負担を考えて1年制を選択しました。

「お金もかかるので、『自分は絶対1年でがんばる』という強い意志を持って、必死で学んでいました。製菓理論や栄養学などが座学でいろいろ学べるほか、半分くらいは実技の授業なので忙しかったですね。実技授業ってちょっと時間がかかるので。

毎回テストでもがんばっていい点を取っていたので、成績優秀者に贈られる理事長賞をもらったんですよ! いい思い出です」

卒業した年の夏には、製菓衛生士の国家試験に一発で合格。この受検資格は、製菓の仕事に2年以上従事するか、厚生労働大臣指定の専門学校で1年以上学ぶことで得られるもの。m.higashiさんは最短ルートで国家資格を取得しました。

上京し、カフェやベーカリーで経験を積む

卒業後、大好きなカフェで働きたいと興味を持っていたm.higashiさんですが、地元にはイメージどおりのお店がなく、東京に出て働くことに。いくつかのカフェやベーカリーで、ホールもキッチンも経験しました。

「製菓学校の実技の授業では、洋菓子・和菓子・パンの実習がありました。ひととおりのジャンルを経験するなかで、私は洋菓子屋さんのショーケースに入っているようなきれいなケーキよりも、パンや焼き菓子のほうが好きなんだとわかったんです。アルバイト先も、デコレーションケーキが並ぶようなケーキ店ではなく、素朴なタルト系のお店を選んでいました」

そして20代前半で、アルバイト先で出会った仲間と2人で、あこがれだったカフェを出店します。

「いっしょにやっていたかたがランチを出し、私はスイーツを担当。クレープやスコーン、コーヒーを出していました。当時は本当に忙しくて……。定休日も自転車で、浅草のかっぱ橋道具街に通っていました。片道15分ほどの距離でしたが、買ったものを自転車で持ち帰るのに苦労しましたね。休みなく働いても、カフェの経営は厳しくて……。体を酷使して体調を崩したこともあり、2年ちょっとで閉店しました」

バナナ クレープ
Instagramより。m.higashiさんが大好きなクレープやスコーンは、プライベートでもよく作るそう

Instagramでの発信がレッスン動画講師の道へつながる

あこがれの職業を経験し、20代で自分のカフェを出しながら、挫折してその厳しさも知ったm.higashiさん。「このとき、次になにかやるなら、自分ひとりでできる範囲のことをやろうと思った」と振り返ります。

閉店後は群馬県の実家に戻り、家業の手伝い(筆ペン習字講座のアシスタント)やほかのアルバイトを経験。その後、大手製パンメーカーに営業職で就職しました。

「おもにマーケットクルーとして、工場からスーパーなどに出向き、食育を発信したり、子ども向けのサンドイッチ教室を開催したりしていました。3年ほど勤務しましたがとても勉強になることが多かったです」

プライベートで作ったお菓子をInstagramに投稿

結婚を機に、一度仕事から離れることに。出産を経て、家事・育児に専念していましたが、2人目を出産後1年ほど経って少し落ち着いたころ、お菓子作りに対する思いがムクムクと復活し始めました。

「それまではお菓子作りから完全に離れていたのに、作り始めると私はやっぱり焼き菓子が好きなんだなと実感しました。自分や家族が食べるものを毎日のように焼き、作るたびにそれをInstagramに載せるようになりました」

スコーン いちご
Instagram初期の投稿。朝ごはんに食べたくて作った焼き立てのスコーン。家族に「また写真!?」と言われないように密かに撮った……というエピソードが

動画レッスン講師の仕事につながる

おうち習い事アプリ「ミルーム」の担当者から、InstagramのDMに講師の打診が来たのは、下のお子さんが幼稚園に入ったころでした。
まだ自宅レッスンを始める前の話。個人的にレシピ動画をアップしていたわけでも、ライブで配信した経験があったわけでもないm.higashiさんにとって、講師業は初めてのチャレンジとなりました。

「コロナ前で、今ほどオンラインレッスンが盛り上がっていなかったころでしたが、動画をツールとすることでいろいろな人に見てもらえる、ということに興味をもったので、迷わずお引き受けしました。Instagramにお菓子やパンを載せているすごいかたは、ほかにもたくさんいいらっしゃるのに、私に声をかけていただいたことに感謝しています」

レッスン動画撮影の流れ

クリエイター

製菓の専門学校卒業後、東京で製菓・製パン・飲食店勤務やカフェ経営を経て地元の郡馬県に戻り、結婚を機にいったん仕事から離れる。現在は、自宅で小さな焼き菓子教室を主宰。おうち習い事アプリ「ミルーム」や、製菓・製パン業界最大のプラットフォーム「cotta(コッタ)」でレシピ提案を行う。

出版社勤務(飲食業界専門誌、育児誌、料理誌、女性誌など)を経て、フリーランスの編集者・ライターに。食や生活まわりのテーマを中心に、雑誌・書籍・WEBなどで執筆。人物インタビュー、市井の人への取材も大好き。お茶する時空間をこよなく愛する。

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