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神谷京子さんの「アイシングクッキーデザイナー」という仕事

神谷京子さんの「アイシングクッキーデザイナー」という仕事

神谷 京子, 晴山 香織

緻密なデザインや遊び心のある作品が注目を集める、アイシングクッキーデザイナー・神谷京子さん。10年ほどの海外暮らしを経て、帰国後の鬱々とした気持ちを救ってくれたのが「アイシングクッキー」だったそう。もともとパティシエなどを目指していたわけではない神谷さんが、アイシングクッキーの制作に喜びを感じるようになった経緯をお伺いしました。

目次

  • 野菜ケーキのトッピングから始まったアイシングクッキー作り
  • だれかを喜ばせるために、自分ができることをできる範囲で

野菜ケーキのトッピングから始まったアイシングクッキー作り

海外暮らしで実感した、日本のお菓子のクオリティの高さ

愛らしいパフェやプリンアラモードを描いた「昭和レトロスイーツのアイシングクッキー」や、ふっくらした丸みに思わず二度見してしまう「本物と間違えちゃう枝豆のアイシシングクッキー」。
神谷京子さんが手がけるクッキーは、どれもアイディアに富んでいて精密に描かれているのが特徴です。

プリンアラモード、パフェ、クリームソーダの昭和レトロなスイーツを模したもの
スイーツのパーツ一つ一つにこだわって手作りしています
枝豆のアイシングクッキー
枝豆のアイシングクッキー。父の日や、お酒が大好きなかたへのギフトとして制作

アイシングクッキーとは、粉砂糖に卵白などを混ぜて着色した「アイシング」で、クッキーにデコレーションをしたもの。色をつけたり、文字や絵柄を描いたりできることから、誕生日や結婚式などのイベントでの贈り物として人気です。神谷さんは、このアイシングクッキーのデザイナーとして活躍しています。

そもそも、神谷さんがお菓子作りの楽しさを知ったのは高校生のころ。家から歩いてすぐの距離にあるケーキ屋さんでのアルバイトがきっかけでした。

「お菓子作りが好きとかではなかったんです。ただ距離が近くて通いやすいから選んだんですが、マスターやスタッフがいいかたばかりだったし、接客も楽しかったし。何よりデコレーションをやらせてもらえたのがおもしろくて、結局は高校時代の3年間、そこでアルバイトを続けていました」

とはいえ、製菓学校に進みたいというほどまでは至らず。頭の片隅に「お菓子作りは楽しい」という記憶を残したまま、海外での暮らしが始まります。

「結婚して、夫の仕事の都合で東南アジアやヨーロッパ、中国で暮らしていました。10年弱くらいですね。どの国で暮らしてもスイーツが気になって買って食べてみたんですが、日本のケーキのおいしさには及ばないなと思ったんです。もちろん、その国ならではのカラフルさや、独特の甘さは楽しいしおもしろかったのですが、ふわふわのスポンジケーキや、ちょうどいい甘さとなめらかな生クリームはどこにもなくて。ないなら自分で作ろう、と」

お菓子の本を見ながら作ってみることもあれば、以前のバイト先のマスターに連絡して、レシピを教えてもらうこともあったのだそう。もともと器用だったこともあり、それほど苦労せずに食べたいお菓子を作れるようになっていきました。

「大げさなものではなくて、プリンとかですよ。自分が食べたいものを食べたいときに作るというレベルです。それでも、いま思えば、バイト時代に教えてもらったお菓子作りの理論的なこと……例えば、これとこれを混ぜたらこうなるとか、ここできちんと作業すれば膨らむ、みたいなコツを復習する感じだったのかもしれません」

帰国後の鬱々とした気持ちから抜け出すきっかけとは?

クリエイター

愛知県安城市でアイシングクッキーの製造・販売を行う『emBellir(アンベリール)』主宰。アイシングクッキーの教室も開講し、文化センターなどでの講師のほか、フォトスタイリングの教室も開催(2023年現在はお休み)。作品はオンラインハンドメイドマーケットの『Creema』にて販売中。愛知県安城市のふるさと納税の 返礼品としても取り上げられている(2023年現在)。

フリーライター。出版社オレンジページに入社し、生活情報誌『オレンジページ』『オレンジページ インテリア』の編集を担当したのち、フリーランスに。暮らしやインテリア、カルチャーを中心に、雑誌や書籍、WEBで執筆・編集を行う。

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