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あんこ愛あふれる投稿に息をのむ わたんぺさんのオリジナリティ

あんこ愛あふれる投稿に息をのむ わたんぺさんのオリジナリティ

わたんぺ, 唐澤 理恵

InstagramやYouTubeで「あんこ愛」を発信するわたんぺさん。建築業界で働きながら、なんと年間300日あんこを食べ歩き、出会ったあんこの記録を日々綴っています。あんこ愛の深さと、濃密ながら情報整理された投稿で、あんこ好きから絶大な信頼を獲得。2024年3月現在、Instagramのフォロワーは1.8万人超え。わたんぺさんのあんこへの偏愛ぶりと、SNS運用の工夫を伺いました。

目次

  • 毎日あんこ漬け! 話題のインスタグラマーの素顔
  • 「あんこは地味」にあらず。じつは隠れファンが多数
  • 「おいしい」の感覚は人それぞれ。だからこそ脚色しない

毎日あんこ漬け! 話題のインスタグラマーの素顔

情報の充実ぶりに目をみはる、甘味好き必見アカウント

右も左も、つやつやと輝くあんこの写真と動画がぎっしり! 甘いもの好きにはたまらない投稿が人気を博し、今やInstagramのフォロワー数は1.8万人を超える人気インスタグラマー・わたんぺさん(2024年3月現在)。

あんこのおやつ
わたんぺさんのInstagram(@anko_watanpe)には、あんこのおやつがずらり

おすすめのあんこスイーツや日本各地の名店紹介など、あんこ情報の充実ぶりはさることながら、思わず見とれてしまうほどきれいな写真や、〈あんこ愛〉あふれるコメント、センス抜群の手書き文字やイラストも必見。

おいしそうなあんこスイーツの写真に、雰囲気たっぷりのイラストやコメントが踊るわたんぺさんの投稿
熊本県産和栗の大福デニッシュ断面図
一見、想像しづらいスイーツかわからないものもありますが、スワイプすると……
熊本県産和栗の大福デニッシュ図解
わたんぺさんの図解が現れます
食感や味わいもわかりやすいキャプション
食感や味わいが一目瞭然で、多くのあんこ好きから絶大な信頼感を得ています

プロフィールに「社会人25歳」と掲載しているものの、顔出しはしていないわたんぺさん。ときどき投稿から垣間見えるのは、多忙な会社員生活と、おいしいあんこ巡り=〈あん活〉を両立させながら人生を楽しむ20代女性らしい素顔です。

気になるのは、「年間300日はあんこを食べる」と公言するほどの〈あん活〉の実態。魅力的なSNSの発信スタイルにも、どんなこだわりがあるのか聞いてみたい……!

インタビュー現場に現れたわたんぺさんは、トレンドをおさえたメイクやネイルがよく似合う、おしゃれないまどきの女子。あんこや和菓子とのイメージギャップに少々驚きつつ、お話を伺いました。

Instagramのハイライトでの中の人紹介
Instagramのハイライトでは、ちょっぴり〈中の人〉の紹介も。「こんなキラキラ女子があんこ好き!?」と驚かされます

小さいころの将来の夢は〈おまんじゅう屋さん〉

わたんぺさんがあんこ好きを自覚したのは、幼稚園のころ。そもそも物心ついたときには、家の中に、常にあんこや和菓子がある状況だったとか。理由は、おいしいもの好きのお母さまの存在でした。

「母は食へのこだわりが強くて、グルメ情報に詳しかったり、わざわざ遠くまでおいしいものを買いに行ったりするタイプ。特にあんこに目がなくて、いつも何かしら母が買ってきたあんこのお菓子を食べていました。

たとえば、うちからちょっと遠い場所に、いちご大福が有名なお店があって。いちごの季節に発売されるとすぐ売り切れちゃうほどの人気なんですけど、毎年絶対母が予約をしていて、車で買いに行くんです。

あとは実家が愛知県なので、おばあちゃんと喫茶店へモーニングをしに行くと、無料で小倉トーストが出てくる(笑)。それもよく食べていましたね。
どうしてこんなにあんこが好きなのか、理由を考えたことはあまりないのですが、小さいころから家でも外でもあんこを食べ慣れていたから、というのはあるのかもしれません。

幼稚園の卒業アルバムに将来の夢を書くときも、周りの子が『ケーキ屋さん』とか、『プリキュア』とか書いているなかで、私は『おまんじゅう屋さんになりたい』って書いていました(笑)」

名古屋の小倉トーストの名店をまとめ
出身は愛知県豊田市。Instagramには名古屋の小倉トーストの名店をまとめた投稿も

小学生、中学生、そして高等専門学校へ進んでからも、あんこへの愛は変わらず。ただ、あんこを食べる機会はもっぱら自宅か、あんこ好きの母と出かけたときだけだったとか。

「周りにあんこ好きがいないな、とは思っていました。高専時代も友達と『お茶しようよ』となれば、行くのはカフェ(笑)。ただ、私はあんこだけじゃなく、ケーキやチョコも大好きだったので、それはそれですごく楽しかったことを覚えています。

あんこのお菓子を食べ歩くようになったのは、社会人になって東京に出てきてから。それでもやっぱり、『あんこが好き』という人は周りにいなくて……。ひとりでも食べ歩きますが、ときどき週末に母が私の家に遊びに来るので、いっしょにおいしいお店を巡ったりしています」

休日は4、5軒をハシゴ! 驚愕の〈あん活〉生活

今や〈あん活〉がライフワークのわたんぺさん。その日常はかなりストイック。平日は朝から晩まで建築系の企業で仕事に打ち込み、あんこ巡りは休日に、「今日はこの店とこの店!」と予定を決めてハシゴするそう。

たとえば、この取材を受けてくれた土曜日のスケジュールを教えてもらうと……。

「まず、朝に原宿の『瑞穂』さんで豆大福や季節の和菓子を購入。次に私が東京で一番好きな豆大福を売っている護国寺の『群林堂』さんへ。でもお休みだったので、急遽、白金高輪の『マルイチベーグル』さんへ向かい、あんこのベーグルを買いました。

今日は取材が入っていたので行っていませんが、それがなければもう一軒、『マルイチベーグル』さんの近くにある、お気に入りの甘味屋さんであんみつを食べていました。この取材のあとは、『新宿高島屋』さんにずっと食べてみたかったおもちが入荷されるそうなので、買いに行こうと思います」

一日に4、5軒をまわるのが、週末の定番の過ごし方。土曜日と日曜日、二日間ともまわることもあるそうです。すごい……!

わたんぺさんが取材当日に持参していた戦利品の数々
わたんぺさんが取材当日に持参していた戦利品の数々。ほとんど一人で平らげるそう

もちろん平日も、あんこ摂取は欠かさず。なんと朝と夜、ほぼ何かしらのあんこを口にしているとか……!

「朝はあんパン率が高めです。夜は帰宅が遅いので、夜ごはんを作る気にならないことも多くて。そんなときは、コンビニでようかんやきんつばを買って食べています(笑)。

もちろんおいしいもの自体が好きなので、時間があるときは、話題のレストランやカフェに行くのも楽しみ。でも不思議なことに、あんこだけは本当に飽きなくて。

じつはあんこって、何を合わせてもおいしいんですよ。チョコやクリーム、バターも相性がいいし、フルーツも合うし。あんこは私にとってスーパーフード。ポテンシャルしか感じないんです!」

あんこやスイーツの投稿に混ざって、ときどきレストランのグルメ投稿も。店選びのセンスはさすが

「あんこは地味」にあらず。じつは隠れファンが多数

コロナ渦にInstagramで発信開始。でも最初はカフェ垢で

クリエイター

あんこが大好きな、建築業界で働く社会人25歳。年間300日あんこ食べ歩き、東京を軸として日本各地で出会ったあんこの記録をInstagramに綴る。あんこ愛の深さと、わかりやすいイラストであんこ好きから絶大な信頼を獲得し、Instagramのフォロワーは1.8万人を超える。(2024年3月現在)

フリーライター。東京・多摩で生まれ育ち、百貨店、出版社勤務を経てフリーランスに。日本各地の店舗や生産者のもとを訪ね、食の媒体を中心に執筆。趣味の飲み歩きが高じ、ライターのかたわら、日本酒やビール、ワインを扱う酒販店にも勤務。

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