スマホの画面をスワイプする指がピタッと止まるTesshi(てっしー)さんのInstagram。具がごろごろと入ったおにぎりや、はちきれんばかりに具が詰まったホットサンド、こんもり盛りつけられたパスタなどに、すっかり心奪われてしまう人も多いのでは。2024年10月現在、フォロワー数約40万人のTesshiさん。その人気の理由やTesshiさんのこだわりを、これまで出版してきた4冊の著書からじっくりと探っていきます。
目次
- おにぎりやホットサンドが“ごちそう”になる
- 著書から読み解くTesshiさんのこだわり3選
- Tesshiさんが使う調味料&食材
- Tesshiさん愛用の調理道具たち
- Tesshiさんの著書4冊をご紹介
おにぎりやホットサンドが“ごちそう”になる
まずTesshiさんといえば、一世風靡した「#ごちそうおにぎり」というハッシュタグ。Tesshiさんが作るおにぎりは、おかずとご飯をいっしょに握ったような、具たっぷりのおにぎりのこと。
きっかけは息子の一言。ご飯とおかずを混ぜ合わせたおにぎり
Tesshiさんがおにぎりを握りはじめたのは、トレーラー運転手の旦那さんが、片手で食事しやすいようにするためだったそう。そのころは、ご飯のなかに具が入ったいわゆる普通のおにぎり。
ところがある日、当時高校生だった息子さんに「お弁当を食べる時間がないから、おにぎりだけでいい」と言われたのをきっかけに、ご飯におかずを混ぜたおにぎりを握るようになります。
さらに、おにぎりの写真を撮ってInstagramに投稿するように。せっかくなら見栄えがよくなるように……と工夫していくうちにできたのが、具だくさんなおにぎり。そして、その具だくさんなおにぎりはいつの間にか、「#ごちそうおにぎり」と呼ばれるようなったのです。
目指せ満腹! 作ってみたくなるボリューム感
おにぎりのほかに、ホットサンドやパスタ、スープ、一品おかずなどをInstagramに投稿しているTesshiさん。どの料理を取っても共通して言えるのが、その具材のボリューム感。
例として、ごちそうおにぎりでいうならば、具の量は“朝ごはんのときに食べるおかずの量”が目安。一般的なおにぎりの具の量と比べると、これはかなり多い量です。
ご飯の量も多いのかといえば、そうではないというのもポイント。たっぷりな具材の量に対して、ご飯の量は“お茶碗にこんもりと一杯程度”だといいます。
コンビニで売られているおにぎりが1個約100gに対して、Tesshiさんが作るおにぎりは1個約60g。具がごろごろと入っていることでボリューム感が出て、お腹も満たされる「#ごちそうおにぎり」が完成するのです。
一品作ればOK! な“気楽さ”がやる気につながる
ボリューム感もさることながら、一品で満足感を得られるというのもTesshiさんのレシピの特徴。
日常的に料理をせざるを得ない人にとって、日々の献立を考えるのは結構な重労働。仕事や育児、家事、介護などそれぞれが抱えるさまざまな状況のなかで、食事作りにかけられる時間は限られているもの。栄養バランスを考えながらあれとこれ作って、あとは……なんてやっている場合ではない! というかたも多いのでは。
そんなときこそ、Tesshiさんのレシピの出番です。2020年に出版された3冊目の著書『とびきりおいしい家パスタ』(KADOKAWA)は、パスタ一品で家族全員が満足できるレシピが数多く掲載されています。
家族みんなが楽しく、おいしく食べられるように工夫された“家パスタ”は、「旬のものや冷蔵庫にあるもので気軽に作れる」というのが大きな魅力だというTesshiさん。さらに、野菜をたっぷり取れたり、食べながら各々が好きなように味変できるのもいいのだとか。
料理に時短を求めたとき、調理工程を省くことを考えがちですが、一品で家族全員の食事が完了するというのも時短の一つ。Tesshiさんのレシピには、レシピそのものの手軽さはもちろんのこと、一品作ればいいというような気軽さがあるように思います。
著書から読み解くTesshiさんのこだわり3選
Tesshiさんの作る料理の、具のもりもり感やごろごろ感にすでに魅了さている筆者ですが、Tesshiさんご本人はほかにどんなところにこだわりを持っているのでしょうか。4冊の著書から垣間見れたTesshiさんのこだわりをご紹介します。
【1】ホットサンドは山盛りの具材をはさむ
1つ目は、ホットサンドの具の量について。ステンレス製のホットサンドメーカーを使い、魚焼きグリルで焼き上げるというホットサンド。ホットサンドを作り始めたころは、中に詰める具の量は、そこそこの量だったそう。
しかし、Instagramで世界中のサンドイッチを眺めるうちに「もっとはさんだらおもしろいかも」という気持ちに駆られ、そこからどんどん量が増え、今のぎゅうぎゅうに詰まったホットサンドが完成します。
「パンの耳だけは避けて、好きなだけもりもりと、山盛りのせて大丈夫」というのがTesshiさんのアドバイス。そう言われたら、限界まで挑戦したくなりそう!
【2】パスタは小さな器に山高く
2つ目は、盛りつけの仕方。Instagramのパスタの写真を見るとたっぷりと盛っているように見えますが、パスタの量は約100g。そう、普通の1人前の量なのです。
パスタを盛りつけるお皿は、直径約16cmの浅いボウル皿。お皿のサイズに関しては、小さめな器に山高く盛りつけるほうが写真映えするのではないか、というTesshiさんの考えから。
さらに、浅いボウル皿を選んでいるのは、平らなお皿の上で、盛りつけや写真撮影をしたりしていると、あっという間にさめてしまうというご自身の経験からだそう。これは参考にしたい!
【3】簡単でおいしいレシピを
3つ目は、気軽にできるレシピであること。4冊目の著書『おいしいがとまらない! 魅惑のレシピ』(KADOKAWA)に掲載されているレシピは、身近な食材を使い、調理工程も簡単なものばかり。
Instagramの投稿が深夜になることも多いTesshiさんの元には、「この料理はいつ作って、いつ食べているのですか?」という質問がしばしば届くそう。
その問いに対して、「そうですね、たしかにいつなんでしょう?」と考えるTesshiさん。著書内の「自由気ままなタイミングで作って食べる」という言葉が、その答えのように思う筆者でした。
Tesshiさんが使う調味料&食材
クリエイター
具材がごろごろと入った「#ごちそうおにぎり」が大人気。ほか、山盛りの具材を詰め込んだホットサンドやパスタなど、そのボリュームはと手軽なレシピが話題となり、Instagramのフォロワー数は約40万人(2024年10月現在)。著書に『主役は、ごちそうおにぎり』(KADOKAWA)など。
フリーライター。大阪在住。大学卒業後、株式会社オレンジページでアルバイトとして現場や料理を学んだのち、兵庫県・神戸の帽子ブランド「mature ha.」に就職。退職・出産を経て、ライターとして活動開始。好きか嫌いかはひとまず置いといて、とりあえずやってみるタイプ。今日も夕飯の献立を考えながら暮らしている。