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好きな食材をとことんつき詰めて話題に! カニカマハナコさん

好きな食材をとことんつき詰めて話題に! カニカマハナコさん

カニカマハナコ, 片貝 久美子

TV番組にも多数ご出演されている、カニカマ料理研究家・カニカマハナコさん。カニカマだけに特化したInstagramやレシピ提案、カニカマに関する活動は、とびきりインパクトがあり、見る者を惹きつけて多くのファンを獲得しています。注目を集めているにも関わらず、「仕事」にはせず、あくまでも純粋な「趣味」として活動を継続中。偏愛するカニカマとともに歩んできた道を振り返っていただきました。

目次

  • カニカマと出会ったあの日
  • “カニカマハナコ”誕生秘話
  • レシピを考案するときのマイルール
  • カニカマで成し遂げたい夢

カニカマと出会ったあの日

カニカマハナコさんがカニカマ料理を作るようになったのは、63歳を迎えてから。それまでは、意外にもカニカマを意識していなかったそう。カニカマに出会う前はどのような日々を過ごされていたのでしょうか。

「専業主婦として、主人と3人の子どものごはんを作ったり、家のことをしたり。それから、義父母や実母の介護も経験して、それらがひと段落したのが60歳のときだったんです。家族のために時間を費やす日々も充実していたのですが、どこかで『子供たちがある程度自立したら、一人でも楽しめることを見つけないと老後が大変になっちゃうぞ』という気持ちがありました。また、それまで子育てや介護を言い訳にして辞めてしまったこともあったので、続けることの大切さも感じていて……。

なので、60歳のときに子どもたちがみんな自立し、親の介護も終えたのを機に、『これからは自分の好奇心を止めず、いままで自分の先入観で避けてきたことにもトライしていこう』と決めました」

その言葉どおり、さまざまなことに挑戦したというカニカマハナコさん。カニカマとの出会いは突然訪れました。

「友達がカニカマのイベントの記事をFacebookにアップしていて、それを偶然目にしたんです。『何これ!?』と思ったら、そこに『カニカマ100皿』というレシピ本(※)も紹介されていて、好奇心に駆られて試しに購入しました。

(※『カニカマ100皿』……カニカマファンクラブ著/文藝春秋。100品すべてがカニカマ料理のレシピ集)

届いた本を開くと、私が知らない間にいろんなカニカマが発売されていたことに驚いてしまって……! そのカニカマを作っているのが石川県にある、株式会社スギヨというメーカーだったので、さっそく近所で売っているお店を探して買いに行ったんです。近所といっても、当時は歩いて行ける範囲にスギヨのカニカマを取り扱っているお店がなく、車で30分ほどかけて行きました。

そして、買って食べてみたら、またびっくり! そのときは『匠のカニカマ』という商品を食べました。色は昔よく目にしていた真っ赤じゃないし、身のほぐれ感からして、私が知っているカニカマとはまったく違う。安いカニを食べるより、こっちのほうがおいしい!って思うくらい衝撃を受けました。それに加えて、カニカマがこんなに進化していたのを自分が知らなかったことが、ちょっと悔しくなっちゃって(笑)。それで、とりあえず10日間、レシピ本どおりにカニカマ料理を作ってみることにしたんです」

スギヨの「匠のカニカマ」
カニカマハナコさんが衝撃を受けたという、スギヨの「匠のカニカマ」

「スギヨ」のカニカマと出会ったことが、その後のカニカマハナコさんの人生を大きく変えていきます。

「『ひとつのことを続けてみたい』と思っていた私にとって、このカニカマとの出会いはまさに転機でしたね。なにより、毎日の食事でカニカマ料理を作るくらいなら、だれにも迷惑はかからないじゃないですか。これが、お肉のような高級品だと値が張って家計の負担になりますが、カニカマならいくら高くても1パック数百円。これなら私にもできるなって。

ただ、毎日の生活のことだから、無理をしたら続かない。なので、最初に『無理をしない』というルールを自分で決めました。

そうやって10日ほど作り続けているうちに、レシピ本に載っているカニカマ料理を作るだけでは飽きたらず、『自分なりにレシピを考えてみよう』と思ってレシピ作りをスタートしました。それが、5年以上経ったいまでも続いているんです」

カニカマハナコさん作・米粉を使った「カニカマシチュー」
Instagramに実際投稿されている、米粉を使った「カニカマシチュー」。カニカマハナコさんならではのオリジナリティが光ります
株式会社スギヨの公式サイト「カニカマ愛」
いまでは、株式会社スギヨの公式サイトには、カニカマハナコさんのレシピを紹介しているページが

“カニカマハナコ”誕生秘話

作ったカニカマ料理は当初からInstagramにアップしていたそう。それを1年ほど続けたのち、“カニカマハナコ”として活動することを決意しました。

「当時はカニカマハナコではなく、本名の“新井正美”でやっていたアカウントに載せていました。アップするたびに〈いいね!〉をもらえるのがうれしくて。1年ぐらい続けて、230人以上のかたにフォローしていただいていました。

そして、カニカマ料理作りが1年続いたとき、これはもう、“カニカマ料理だけを出してる人”という打ち出し方にしたほうが面白いかな、と思ったんです。

“カニカマハナコ”という名前は、食のイベントでたまたま知り合った“ハムカツ太郎”さんというかたがいて、友人たちから『ハムカツばかりを食べ歩く“太郎”さんがいるなら、あなたは“花子”ね』といわれるようになって。さらに、娘が『カタカナ表記のほうが今っぽい』というので、そのまま名付けました」

活動名を決めたタイミングで、Instagramも“カニカマハナコ”として新しくアカウントを立ち上げ、ゼロからスタートすることに。“カニカマハナコ”になって以降、新たに始めたことがあるといいます。

「カニカマ料理を作ってInstagramにアップするというのは変わりませんが、まずは“カニカマパトロール”を始めました。カニカマパトロールと称して、地元のスーパーで扱っているカニカマを調査しに行くんです。

というのも、スギヨさんの所在地が石川県ということもあって、東京で扱っているお店が少ないんですよね。私自身はスギヨさんのカニカマのおいしさに惚れ込んでカニカマ料理を作り始めたので、自分が使うぶんはインターネットで購入していました。そこで、『逆に、地元のスーパーではどんなカニカマが売られているんだろう?』と気になって。

そして、地元のお店をあちこちパトロールすると同時に、投書箱に『スギヨのカニカマを取り扱ってください』とリクエストする“スギヨパトロール”も始めました(笑)」

スギヨのカニカマへの偏愛ぶりがうかがえます。このほかにも、顔なじみのお店のかたや、近所の知り合いにカニカマをおすすめするなど、カニカマの普及に向けた活動を地道に行なっていっていきました。

カニカマハナさんのInstagram投稿 「#スギヨパトロール」とハッシュタグをつけて投稿
「#スギヨパトロール」とハッシュタグをつけて投稿。豪快な盛りつけも魅力的

レシピを考案するときのマイルール

これまでにカニカマハナコさんが考案したカニカマレシピは1600品以上。レシピを考えるときは、どのようなことを意識しているのかでしょうか。

クリエイター

カニカマ料理研究家。63歳のときに石川県にあるかまぼこメーカー「スギヨ」のカニカマと出会ったのをきっかけに、カニカマ料理作りに目覚める。『マツコの知らない世界』(TBS系列)、『くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館』(テレビ朝日系列)などに出演。これまでに考案したカニカマレシピは1600品以上にのぼる。

フリーライター。週刊情報誌を制作する編集プロダクション勤務を経て、フリーランスに転向。インタビューを中心に活動しており、俳優やミュージシャンのほか、料理家や栄養士へのインタビューなど食関連の取材も多く手がける。

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