大阪府大阪市にある器屋『Meetdish(ミートディッシュ)』。店内には常時80名ほどの作家物の陶磁器やガラス食器などが並び、作家さんの個展やグループ展、企画展なども定期的に開催されています。2026年に20周年を迎える同店店主・磯部幸太郎さんに、器へのこだわりや思いをお伺いしました。
目次
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- 器と出会うお店『Meetdish(ミートディッシュ)』
- 独学で学び、自分で切り開いた道
- 作家さんとお客さんをつなぐ場所に
- 『Meetdish』のこれから
器と出会うお店『Meetdish(ミートディッシュ)』
2006年、大阪市西区靱本町で〈扱いやすくて、親しみやすい若手作家物の器のお店〉というコンセプトでスタートした『Meetdish』。2010年に現在のお店がある場所へと移転し、2012年には同ビル内2階にギャラリースペースをオープンさせました。


開店当初は若手作家の作品を多く取り扱ってきた『Meetdish』ですが、20年近い歳月を経て、当時若手と呼ばれていた作家さんたちもすでにベテランの域に。現在は、作家物の器を中心に扱うスタンスは変えないまま、〈日々使える作家物の器の店〉というコンセプトにブラッシュアップしています。


『Meetdish(ミートディッシュ)』の由来は?
まずは店名についてお聞きすると、
「店名は僕の先輩が考えてくれたものです。お店を始めることになったときに、『もう店名決めてんのか?』と聞かれて、『決まってないです』と答えたら、『ミートディッシュにしたら?』と言われたんです。もちろん一瞬、『 meat(肉) ……じゃないですよね?』となったんですけど、『そんなことあるか!』って(笑)」
と店主・磯部幸太郎さんは当時を振り返ります。

その先輩からは、“Meetdish”という書き文字のったお皿と、その右端に水しぶきが描かれたイラストを手渡されたそう。
「“Meetdish”という言葉はその先輩が作った造語で、“器と出会う”という意味が込められています。たまに、Meetとdishの間にスペースを入れられちゃうこともあるんですけど、“Meetdish”で一つの単語。そのとき先輩が描いてくれた手書きのイラストを、そのまま店のロゴにもしています」
日常で使える器をセレクト
もうすぐ20周年を迎える『Meetdish』。長年お店を経営されていくなかで感じた、コンセプトの変化についてお聞きしました。

「今と昔で、取り扱う器へのこだわりが変わったわけではない……と思っていますけど、まぁ、昔ほど尖ったコンセプトではなくなったと言いますか(笑)。以前は、若手作家さんのものを中心に置いていたんです。
今は、若手からベテランまでの作家物を中心に、“使える器”をセレクトしている感じですかね。
器は使ってなんぼだと思っているので、インテリアとして置いておくのではなく、やっぱりどんどん使ってもらいたい。“日常で使える器を”と言うのは、今の『Meetdish』のこだわりかもしれないですね」

実際に見て触れて器を選ぶ
さらに、お店のこれまでについてお聞きするなかで印象的だったのが、店舗を移転されたときのエピソード。
クリエイター
大阪府大阪市にある器屋「Meetdish(ミートディッシュ)」。店内には常時80名ほどの作家物の陶磁器やガラス食器などが並び、作家の個展やグループ展、企画展なども定期的に開催。「日々扱える、普段使いの器を多くのかたに」というコンセプトのもとお店を運営。2026年に20周年を迎える。
フリーライター。大阪在住。大学卒業後、出版社でアルバイトしながら現場や料理を学ぶ。その後アパレルメーカーで営業や販売、プレスを経験。結婚、出産を経て、ライターとして活動開始。ジャンル問わずに執筆を行う。今日も夕飯の献立を考えながら暮らしている。