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料理教室の開業を目指すなら。集客に役立つ資格はこれ

料理教室の開業を目指すなら。集客に役立つ資格はこれ

片貝 久美子

いつかは自分で料理教室を開きたい。でもいったい何を準備して、何から始めればいいの? というかたのための基礎知識。開業する際の資格や許可についてまとめました。

目次

  • 料理教室の開業には資格が必須?
  • 持っておくとプラスに働く資格5つ
  • 料理教室の形態によっては資格が必要な場合もアリ
  • 料理教室の開業に必要な届け出とは?
  • 手軽に開業できるからこそ、資格の取得が自分の強みにつながる

料理教室の開業には資格が必須?

自宅やレンタルキッチンのほか、近年はオンラインでの開催もメジャーになってきた料理教室。「料理技術の提供」のみを行う教室であれば、その開業には特別な資格はいりません。さらに、保健所の許可も含め、法律的に得ておくべき許可もいりません。そのため、料理技術を伝える料理教室を開業するハードルは、かなり低めといえます。

Web上で動画を公開したり、オンラインミーティングアプリを使用した非対面型の料理教室、料理サロン等も同様で、資格や許可は不要です。

ただし、料理教室内で食品の販売(飲食店のような料理の提供を含む)や、作ったものを持ち帰ってもらう場合には許可が必要ですのでご注意を。

持っておくとプラスに働く資格

資格のいらない手軽さが魅力ではあるものの、資格を持っていたほうが、調理に関する知識や技術があることの証明になることは確実。さらに、ほかの料理教室との違いや、自分だけの特徴が出やすくなるので、料理教室を運営していくうえでは資格を持っていたほうがプラスになるといえるでしょう。

次のような資格を持っておくと、生徒さんたちに安心感を持ってもらえ、受講のきっかけになるかもしれません。

【1】食品衛生責任者

食品衛生責任者とは、「設備の衛生管理を行い、安全な食品をお客様へ提供するための正しい知識を持った人」のこと。国家資格で、各都道府県の保健所が管轄しています。

所定の資格(栄養士、調理師、製菓衛生師、食鳥処理衛生管理者、船舶料理士、食品衛生監視員、食品衛生管理者、医師、獣医師、歯科医師、薬剤師など)を持っている場合は、保健所への申請のみで取得できますが、これらの資格がなくとも、各自治体で開催される「食品衛生責任者養成講習会」を受講すれば資格を得ることができます。

講習会も1日(約6時間)で終わることに加え、近年はオンラインでも受講できる自治体も増加傾向に。国家資格とはいえ、比較的取得しやすい資格です。

【2】栄養士・調理師・製菓衛生師

前述の通り、これらの資格のうちどれか一つでも持っていれば、保健所に申請するだけで「食品衛生責任者」の資格を得ることができます。それだけでなく、これらの資格を持っていること自体が、料理教室の強みになったり、生徒さんの安心感につながったりするので、有資格者であることをアピールするのもおすすめです。

【3】食育インストラクター

「NPO 日本食育インストラクター協会」が認定する民間資格で、食育の基礎から、実践に役立つスキルまで幅広い知識が学べます。資格は5つの段階に分かれており、通信教育講座受講で取得できる「プライマリー」と、推進校に通学して学ぶ「4級~1級」があります。2級、1級の取得には国家資格や実務経験が必要となりますが、より専門的かつ実用的な知識を身につけることができます。

【4】野菜ソムリエ

「一般社団法人 日本野菜ソムリエ協会」が認定する民間資格。野菜や果物の選び方や、それぞれの栄養素や素材に合わせた調理法が学べます。資格は3種類に分かれており、そのなかでも「野菜ソムリエプロ」「野菜ソムリエ上級プロ」という上級資格を持つと、料理に役立つ野菜や果物のに関する充分な知識を得られるだけでなく、プロとして企業や自治体と仕事をしたり、食関連のイベントをプロデュースしたりなど幅広く活躍できます。

【5】漢方コーディネーター

「日本安全食料料理協会」が認定する民間企画で、漢方・漢方薬に対する基本的な知識、漢方独自の診断方法が学べます。その人の症状や体質に合わせた生薬の組み合わせを提案できるだけでなく、病気の予防や体質改善を目的としたアドバイスも行えるようになります。

生徒さんにとって、どのような料理を教えてくれるのか、講師はどんなことが得意なのかなど、その料理教室ならではの特徴の有無は重要です。他の料理教室との差別化を図り、生徒さんを集めやすくするためには、ご自身の強みとなる資格を取得しておくのが理想です。

料理教室の形態によっては資格が必要な場合もアリ

冒頭に記載したとおり、料理教室を開いて「料理技術を教える」ことに関しては、特に必要な資格はありません。しかし、料理教室で作ったものを販売する場合には必須となる資格があります。

クリエイター

フリーライター。週刊情報誌を制作する編集プロダクション勤務を経て、フリーランスに転向。インタビューを中心に活動しており、俳優やミュージシャンのほか、料理家や栄養士へのインタビューなど食関連の取材も多く手がける。

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